医療痩身ではダイエットを補助する薬が処方されます。これらの薬は、一部の医薬品を除いてドラッグストアなどでは買うことはできず、基本的には医師の処方でしか手に入りません。一部には使い方を間違えると、重大な副作用が出たり、命にかかわるようなケースも起こり得るためです。医療痩身で使われる代表的なくすりについて解説をしていきます。
ゼニカル®(オルリスタット)
ゼニカルは医療痩身の世界で最も有名なくすりの一つです。こちらは食事から摂取した脂肪の、約30%ほどを、体内に吸収せずに、排出することができる作用があります。比較的安全性も高く、医療痩身ではまず使われる薬の代表格になります。
注意点としては、特に飲み始めに、便が油っぽくなることです。薬のメカニズムが、油の吸収をカットすることで、作用しますので、これは多くの方にみられますが、飲み続けると徐々に気にならなくなってきます。飲み始めは下着が汚れてしまうことがあるので、パッドを使うと安心です。
また長期使用の場合、脂溶性ビタミンが不足することがあるので、サプリメントを併せて処方されることもあります。
こちらの薬はドラッグストアでも、アライ®という商品名で大正製薬から販売されるようになりました。中身はゼニカル®と同じ成分です。少しお試しで使ってみたい場合は、
ボグリボース®
ボグリボースは元々、糖尿病の治療で使用される薬です。糖質の吸収を穏やかにすることで、高血糖になることを防ぎます。急激に血糖値があがることを避けることで、脂肪がつきにくくなる効果が期待できます。
注意点としては、元々糖尿病のくすりなので、食事を抜いた時にこちらの薬だけ飲むと、低血糖を起こすことが稀にあります。そのため、食事をやむを得ず抜くときは、こちらの薬もその時だけはお休みします。
またお腹の手術をしたことがある方で、イレウス、腸閉塞を起こしたことがある方は、安全のため飲むことができません。
サルコトロピン®
こちらは成長ホルモンを増やすことで、脂肪の分解を促進し、筋肉が落ちることを避ける症があります。特に大きな副作用や注意点はありません。
防風通聖散
こちらは便秘でもよく使われる薬ですが、脂肪を減らす効果も期待できる漢方薬の薬です。こちらも特に大きな副作用なく安心して使えます。粉薬でお渡しされることあるので、その場合やや飲みにくいのが欠点といえば欠点でしょうか。錠剤の方が飲みやすいですが、やや錠数が多いのが難点です。
五苓散
こちらは、内科でもよく使われるポピュラーな漢方薬で、体内の水分を調整する働きがあります。こちらも大きな副作用はなく、安心して使えます。効果はマイルドですが、体質が合う人には体調を整える作用もあり、重宝されます。漢方薬はドラックストアでも買えますが、やや割高です。
薬はいくつか組み合わせて使用する。
これらのお薬は、一種類で使用することは少なく、状態に合わせて、何種類か組み合わせることが一般的です。飲む薬が多くなるとやや大変ですが、その分より高い効果が期待できます。お薬に加えて、ハイフや脂肪冷却などの施術も一緒に行うことで、さらに効果が加速していきます。
個人輸入で手に入れるのは絶対にやめたほうがいい。
これらの薬は漢方薬を除いて、一般的な薬局では入手できません。しかしインターネットでこれらの薬を検索すると、個人輸入という形で、海外から買うことができる通販サイトも存在するのは事実です。しかしこれらを、個人輸入するのは、絶対にやめたほうがいいです。海外から、薬やサプリを購入するのは、極めてリスクが高い行為です。中身がニセモノであるケースも少なくありません。害が無いものであればまだいいですが、中には個人輸入した薬で肝障害などの健康被害を起こすケースもあります。これらの薬で問題が起きても、当然保証はされません。絶対にやめたほうがいいです。
以前、バイアグラなど、男性向けの薬を個人輸入することが流行った時期がありましたが、そのときもニセモノが横行し、問題になりました。本質的には全くこれと同じです。医療痩身の薬は日本国内で、医師から処方されたものだけを使用するようにしてください。
